【前編】VoC活用の実態と課題
〜お客様の声を活かす仕組みづくりに関するアンケート調査結果〜

顧客中心主義がこれまで以上に重要となっている昨今、VoC (Voice of Customer) の活用は、企業の競争力を高める上で不可欠な要素となっています。

一方で、VoC活用において「収集・分析などに手間がかかる」「収集したVoCを施策に活かすのが難しい」「活用になかなか社内の協力が得られない」といった課題を抱えているという声も聞かれます。

そこでこの度エクレクトでは、VoC活用に関する実態調査を行い、その結果をまとめました。本編(前編)では、Voc活用への取り組み状況や課題などについてお伝えします。
【調査実施概要】
調査名:VoC(顧客の声)活用の実態調査〜2025年度お客様の声を活かす仕組みづくりに関するアンケート〜
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年6月2日~2025年6月30日
調査対象:企業において顧客対応関連業務に携わっている方
有効回答数:203件

Voc活用への取り組み状況

VoC収集について、今回の調査では有効回答数のおよそ半数が取り組んでいると回答しました。
さらに「VoC収集に取り組んでいる」と回答した方に対し、VoC収集のタイミングについて伺いました。商品やサービス購入後やアプリ利用時、店舗来訪後など、お客様と接点があったタイミングで都度収集している企業が多い傾向がみられます。また、定期的に収集を行っているという回答も一定数みられました。

VoC活用における目的と課題

◾️VoCを収集する目的
「VoC収集に取り組んでいる」と回答した方にその目的について伺ったところ、サービスや商品、また接客やサービスの質改善を目的にしているという回答が上位を占めました。また新規サービスや商品の開発による売上拡大を目的としているという回答も一定数見られ、VoCを成果に結びつけたい意欲が感じられます。また今回「VoCを収集している」と回答した方のうち、ほとんどが上位4つのうちいずれかを回答しており、ビジネスにおけるVoCの重要度が高まっているのではないかとも考えられます。

「顧客とのエンゲージメント強化」を目的にしているとの回答も上位にあがりましたが、エンゲージメント強化にVoCはどのように活用できるでしょうか?たとえば各セグメントへのメッセージや提案のパーソナライズ化にVoCの分析結果を活かす、また表面化されていない不満や懸念などをVoCから読み解くことで、問題が大きくなる前に対応することがエンゲージメントの維持に役立つかもしれません。
さらにアンケートの結果や、VoCが製品やサービスの改善にどうつながったかをコミュニケーション内容の一部に活かすことで、共感を得ることも可能ではないでしょうか。

◾️VoC収集・活用における課題
「VoC収集に取り組んでいる」と回答した方に、さらにVoC収集・活用における課題について伺ったところ、「顧客の本音を引き出すアンケート設計が難しい」という回答が1位となりました。本音を引き出すには、VoC収集の目的を明確にするのは皆さんご理解されていることと思いますが、さらにあらかじめ結果に対する仮説を立てた上で、アンケートを設計することが重要です。仮説立案にあたっては、過去実施したアンケートの分析や分析結果を社内に共有するだけでなく、日々の問い合わせの分析結果が役立つかもしれません。

また、分析結果を施策にどう結びつけるかも大きな課題となっています。生の声をそのまま施策につなげるのは難しく、施策につながる洞察を得るためには、分析で可視化された顧客の不満やニーズ、競合との差などを、より具体的に言語化する必要があると言われています。そのためには、アンケート設計の時点で「なぜ」がわかるように意識しておく必要があるかもしれません。さらには、デモグラフィック情報や行動履歴や購買データと紐付けて分析することで、よりインサイトが得られやすくなるでしょう。

分析結果を元に立案された施策に対しては、対応の実現性やコスト、インパクトなどによって優先順位付けも必要になります。しかしVoC収集・活用における課題において今回いただいたお声の中には、社内で対応の優先順位が低くなる傾向があり、結果VoC収集・活用へのモチベーションが維持できないという声も聞かれました。実際に、弊社お客様からも同様のお声をいただくことがあります。エクレクトでは、企業においてVoC収集・活用の意義を他社事例などの共有を含めてご理解いただき、ビジネスに生かせる仕組みを構築していただくべく、これからもお客様に寄り添っていきたいと考えています。
ついで、収集・分析においてのリソース不足や時間がかかることも課題となっています。またいただいたお声の中には、「生データが複雑なため人に見せるための加工に時間がかかる」「フリーテキストの部分に顧客の要望が潜んでいることが多いので、可視化したり数値化することに非常に骨が折れる」といったものがありました。こちらについては、Surveypalの新サービス「Surveypal CXM」に期待が持てます。「Surveypal CXM」はAIによる項目の形式にかかわらない詳細な分析が可能で、さらに分析結果からビジネスに役立つインサイトも提示してくれます。現在サービスをローカライズ中ですので、ご期待ください!
Surveypal CXM:https://surveypal.com/cxm/
いかがでしたか?後編では、VoCツールの課題やどのようなサポートが求められているかなどについてお伝えします。

後編はこちら
【後編】VoC収集・活用を成功させるための突破口はあるのか?