CASE

導入事例
小売/EC
2024年09月11日

Zendeskを中心に必要な機能を連携した統合基盤を構築、使い続ける選択を後押ししてサステナブルな社会の実現へ

Zendesk導入事例インタビュー
BRITA Japan株式会社

ドイツ生まれの浄水器メーカーのBRITA Japan株式会社は、10年以上カスタマーサポート業務に使い続けてきたシステムが、この先の会員増加に対応できないとしてリニューアルを決断。同社独自の業務プロセスに対応するため、旧システムのようなオールインワンタイプではなく、Zendeskを中心にSalesforceやメール配信システム、会員管理システムを連携する方法で移行を実現した。導入後はZendesk上で完結できるプロセスが増え、煩雑な手作業から解放されると共に、顧客価値の提供につながる情報活用が進みつつある。

Zendesk導入事例 BRITA Japanさま

「当社の製品を通じてサステナブルな社会の実現に貢献していくためには、ブリタを選択してくださったお客様に浄水器を使い続けてもらうことが重要です。日々の顧客対応を支えるプラットフォームにZendeskを選択したことで可視化された情報の活用に、多くの可能性が拡がっています。」

BRITA Japan株式会社
マーケティング部 デジタルマーケティング&CRMマネージャー
河合 聡子氏(以下、河合氏)

Zendeskソリューション導入の背景と課題

1966年に環境先進国ドイツで誕生した浄水器のリーディングブランドBRITA(ブリタ)は、主力であるポット型浄水器に加え、2017年に発売を開始して以来堅調に成長しているボトル型浄水器の輸入・販売を展開。世界69か国の国と地域でブリタのフィルターを通した水が愛飲されている。ブリタのコアコンピタンスは水の最適化。単に水道水をおいしい水に変えるだけではない。人々の水の飲み方を持続可能な方法で変え続けるその取り組みは、環境への負荷を軽減し、サステナブルな社会の実現に貢献するために他ならない。「ペットボトルよりブリタ」を合い言葉に提供するのは、”明日を変える水”なのだ。

だからこそ、その想いを実現するには、より多くの顧客を獲得するのはもちろんのこと、ブリタを選択した顧客に浄水器を使い続けてもらうことが重要になる。そのための仕組みの一つに、ブリタユーザーのための会員組織「ブリタクラブ」があり、現在、約30万人以上が登録。使用製品を登録すると製品保証が購入日より2年に延長されるほか、次回カートリッジ交換日のリマインド、会員限定のプレゼントキャンペーンやイベントの案内など、さまざまな特典が用意されている。この大規模な会員基盤をいかに維持・活用できるかがマーケティング戦略上の大きなテーマであり、当然ながら、重要な顧客接点であるカスタマーサポートのあり方も問われることになる。

しかし、同社がサポート業務に使用してきたオンプレミス型のシステムは自由度が低く、結果として手作業による非効率なプロセスが増え、顧客対応において限界を感じる場面が顕著になりつつあった。河合氏は、こう振り返る。

「旧システムは、マーケティング機能とカスタマーサポート機能を包含したオールインワンパッケージをカスタマイズして使用してきましたが、導入から10年以上が経ち、使い勝手の悪さが指摘されていました。まず、一定数を超えるとメールを送信できないという初歩的な問題に加え、一時期はお客様からのメールを受信できないトラブルもありましたし、単一の画面で顧客対応の履歴を追いにくく、一元化と可視化が課題となっていました。しかも動作環境が限定されていて、時代に合わないわけです。システム刷新による効率化の必要性を強く感じながらも、そのタイミングを伺っていたような状況でした。」

Zendeskが選ばれた理由

この先の会員増加に対応していくことを考えると、旧システムを使い続けることには無理があった。旧システムと同じオールインワンタイプのパッケージも候補に加えつつ、新しいツールの検討を始めた同社は、カスタマーサポート業務のプラットフォームにZendeskを迎え入れることにした。

「当社の製品は、お客様により安心しておいしい水を飲み続けていただくためにも、正しい間隔でカートリッジを交換いただくことが重要です。当社の特徴的な点として、1年間の保証期間が2年間に延長できるという理由でブリタクラブに入会して製品登録をしてくださるお客様が非常に多いこと、浄水器のパーツをカスタマーサービス部門(以下、CS)経由で販売していることがあります。したがって、ツール選びにおいては、旧システムで実現していたこうした仕組みを引き継げること、システム刷新を機に、CSにとって出荷業務を遂行しやすい環境を実現することの2点が重要な要件となりました。その背景には、持続可能な価値主導型の顧客関係を構築し、強いブランドロイヤリティと顧客生涯価値の向上につなげる狙いがありました。」

これまでのプロセスを変えることなく、予算内で必要な要件に応えるには、Zendeskの柔軟性と拡張性が必要だったと言える。同社の要件定義の内容を受けて提案に臨んだエクレクトは、Zendeskを中心に、Salesforceやメール配信システム、マーケティングオートメーション機能を持ち合わせたスクラッチ開発の会員サイト管理システムなどを組み合わせ、これらをシームレスに連携させることで統合的にカスタマーサポート業務の効率化を目指すことを提案。Salesforceのライセンス販売代理店、会員管理システムの開発会社、マーケティング業務のコンサルティング会社、コールセンター業務の受託会社など、複数のステークホルダーが関与するプロジェクトがスタートした。

河合氏は、「エクレクトは、営業担当者だけではなく、実際にプロジェクトに関わってくださる方が提案段階から同席されていて安心感があり、今後のサポート体制への期待値が上がりました。機能面はもちろんのこと、プロジェクトに入って一緒に手を動かしてくださる方が誰なのかは重要です。はじめは複数システムを組み合わせるという提案に抵抗もありましたが、エクレクトが『できる』と言うなら信頼してお任せしようと思えたのです。オールインワンで自社独自の業務プロセスに対応するのは難しいこともよくわかりました」と語る。

Zendesk導入の効果

現場の担当者も巻き込み、彼らの意見を尊重する形で進めたZendeskの導入は、当初の狙いどおり業務の効率化に大きく貢献している。Zendeskの画面でSalesforce上の会員情報を参照できるようになったほか、顧客とのやりとりの履歴も単一の画面上で難なく追えるようになった。また、現在のチケットステータスが視覚化され、対応の遅れや漏れを防ぐこともできる。顧客が購入した製品情報についてチケットに登録しておけば、各製品の問い合わせ傾向を分析することも可能だ。「最近はSalesforceにアクセスしなくても、Zendesk上に集約されている情報で事足る状況です」と河合氏。

Zendesk導入事例インタビュー BRITA Japanさま
製品登録/出荷情報入力アプリ:製品登録画面イメージ

中でも同社にとって最も満足度が高いのが、倉庫への発送依頼処理が効率化された点だとして、河合氏はこう説明する。

「以前はCS部門からExcelで作成した出荷指示を倉庫にメールで送付し、倉庫の担当者がまず在庫の有無を確認するところから対応する流れでしたが、今はCS部門がZendesk上にある製品マスタで在庫情報を確認し、出荷指示の作成と発注までをシームレスにおこなえるようになりました。CS部門の担当者からも、出荷指示のプロセスにかかる負荷が大幅に軽減されたという声が届いています。」

Zendesk導入事例インタビュー BRITA Japan
製品登録/出荷情報入力アプリ:出荷情報入力画面イメージ

実際、出荷データを作成するのにかかる時間は1回あたり15~20分だったのに対し約10分に短縮。これは、年間にして最大約43時間もの削減効果である。旧システムと比べて操作性が優れている点や、コールセンター業務の受託会社間との「報・連・相」のやりとりがZendeskのチケット内からメールでおこなえる点、チケット内に画像をそのまま貼り付けられる点など、細かい点での満足度も高い。

プロジェクトをとりまとめたエクレクトについて、河合氏は、「ステークホルダーが多くて当初は不安もありましたが、全体を通して一貫したサポートを受けられたので心強かったですね。毎週のように定例のミーティングがありましたし、エクレクトはCS領域のシステムとマーケティング領域のシステムの両方に顔を出してくださっていて、きちんと情報共有されていたのでスムーズでした」と高評価だ。

今後の展望

ブリタは、Zendesk導入後もさらに使い勝手の良い環境を目指して、エクレクトに相談しながら小さな改良を繰り返している。「改善サイクルを小さく素早く回しやすいのも、Zendeskの柔軟性と拡張性の高さゆえですね」と河合氏。

現在は、ホームページ上にあるFAQページをZendesk上に移行する計画が進んでいる。記事の順番を変更できなかったり、アンカーリンクを設置できなかったり、画像を挿入できなかったりなど、使いやすさを実現する上での制約を排除することで、顧客が求めている回答の検索性を高め、自己解決率を高めていく考えだ。一方で、Zendeskにより可視化された顧客の声を他の施策にどう活かしていくかという課題もある。

Zendeskの選択を機に、できることに拡がりが生まれつつあるブリタ。Zendeskを中心にコールセンター業務とマーケティング業務を有機的に連携させることで、顧客満足度を高め、顧客生涯価値の向上につなげていくための取り組みがいよいよ本格化していく。

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