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カスタマーサービスこそがマーケティング〜Zendeskをプラットフォームにロイヤルカスタマーを醸成〜
Zendesk導入事例インタビュー
ロードスターキャピタル株式会社
少数精鋭でB to Cサービスの問い合わせ対応にあたるロードスターキャピタル株式会社では、生産性の最大化が大きなテーマ。株式会社エクレクトの提案を受け、Zendesk Supportの導入に踏み切ったのも、これまでバラバラに受けていたメール、Webフォーム、電話経由での問い合わせを一元管理するためだった。これにより、サポート業務の量と質の向上を図るとともに、分析機能を活用して顧客コミュニケーションを最適化していく考えだ。
ロードスターキャピタル株式会社
取締役 運用部長 成田様(右)
クラウドファンディング事業部長 林様(左)
Zendeskソリューション導入の背景と課題
「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」というビジョンを掲げ、日本の不動産投資の変革に挑戦するロードスターキャピタル株式会社。同社が目指すのは、不動産投資の世界を一般の方々にも開放すること。この目標を実践するために2014年にスタートさせたのが、1万円からの手軽な投資を可能にした日本初の不動産特化型クラウドファンディングサービス「OwnersBook(オーナーズブック)」である。
この画期的な個人投資家向けサービスの運営にあたるのは、社員60名弱のうち20名にも満たない少数精鋭の社員たち。OwnersBookへの問い合わせ対応を担うカスタマーサポートに至っては、スーパーバイザー1名を含む3名体制だ。しかも、小規模な組織であるだけにカスタマーサポート以外の業務も対応しなければならない事情もある。よって、「一人ひとりの生産性をいかに最大化するかが重要なテーマ。サポート業務を効率化するためにツールの活用は欠かせません」と、ロードスターキャピタル株式会社 クラウドファンディング事業部長の林 裕司氏は説明する。
OwnersBookでは、非ユーザーを含む個人投資家からの問い合わせをメール、Webフォーム、電話の複数のチャネル経由で受けている。以前はこれらの問い合わせをチャネル別に追跡できても一元管理する仕組みがなく、散在する情報をかき集めてつなぎ合わせない限り、顧客一人ひとりに最適化されたコミュニケーションの実現は困難であった。
「特にメールの場合は一覧性に乏しく、重要な情報が埋もれてしまいがち。不要な情報も多く、必要な情報を特定して対応に着手するまでに多くの時間を要します。しかも、メールでのやりとりを重ねたところで、ナレッジとして蓄積されることはありません」と、ロードスターキャピタル株式会社 取締役 運用部長の成田 洋氏。実際、サポート担当から業務の煩雑さを指摘する声も上がっており、効率化は優先度の高い課題だったと言える。
Zendeskが選ばれた理由
当然ながら、OwnersBookの会員が増えるにつれ、投資家申請対応や入出金対応といった定型業務も増えていく。「毎日同じことに時間を費やすのは無駄ですから、定型業務はなるべくツールを使うか外注するかして、社員には非定型業務に注力してもらいたい」と成田氏。新たなツールの導入にあたっては、こうした業務負荷の軽減と共に、過去の経緯を踏まえたOne to Oneの顧客コミュニケーションを実現できること、チケットという概念を取り入れることでカスタマーサポートのパフォーマンスを数値化し、継続的な改善につなげられることを目指したという。
また、ビジネスを伸長させるには会員数をさらに増やしていく必要があるが、時間の経過と共に、既存顧客との関係性を維持するための取り組みがより重要度を増してくる。「投資×クラウドファンディングというサービスの特性上、リテンション施策は非常に重要」と指摘する林氏は、こう続ける。
「たとえば、1万円投資するお客様100人と、100万円投資するお客様1人は同じ利益を生み出すことは事実ですよね。手間やコストを鑑みると、前者を100人新規獲得するより、1人の既存顧客の投資額を増やすほうがリーズナブルです。効率化が進むとその分空いた時間で手厚いサポートが可能になるので、満足度の高いサポートが既存顧客のリテンション(再投資)を促すことになります。つまり、顧客単価の向上が見込めるわけです。」
ベストな解決策を探る中で、プロジェクトを支援したエクレクトとも、“カスタマーサービスこそがマーケティング”という考え方で一致したという。こうした狙いや考え方をコスト効率よく実践できるツールとして選択したのがZendesk Supportだった。
Zendesk導入の効果
エクレクトはZendeskの機能説明をはじめ、設計支援、API連携の技術支援を中心に、伴走者としてプロジェクトに寄り添った。「対面での打ち合わせは1回。あとはチャットベースのコミュニケーションで進めました。ほぼリアルタイムでしたね。不明点が出てきたときにいつでも聞ける存在として頼りにしていました」と林氏。
Zendesk Support導入後は、メール、Webフォーム、電話経由で受けた問い合わせをチケット化し、関係者が1つの画面で速やかに共有できるようになったことで、実感値としてサポートの量と質が上がっているという。
「担当者からエスカレーションされてきたチケットを確認する際も、メールと違って必要な情報のみが表示されるので効率よく対応できます。マクロ機能を使って、よくある問い合わせへの返信に定型文を差し込めるのも便利です。サポート業務に費やす工数が明らかに減っています。」(成田氏)
同社では、ZendeskのAPI連携機能を利用し、自社開発したWebフォーム経由での問い合わせをチケット化しているだけでなく、自社開発の顧客管理システム(CRM)とも連携。CRMデータベースで管理されている顧客情報をZendesk Support上に表示させている。CRMには顧客の過去の全履歴が含まれているため、サポート担当者は会員ステータスや金融資産額、過去の投資状況など、より深い顧客理解に基づいた対応を実現できる。
また、電話で問い合わせをしてきた相手を特定できない場合でも、ユーザー名不明のIDを作成し、Zendesk上に問い合わせ内容を記録。音声データを保持しているわけではないものの、電話メモをテキスト化して蓄積することで検索性が飛躍的に高まっている。「とにかくZendeskの中にあらゆるデータが集約されているので、必要なときに、必要な情報をキーワードで検索しやすくなりました」と林氏は語る。このことは、問い合わせ対応の属人化解消にもつながっていくはずだ。
今後の展望
導入の狙いにもあったように、Zendesk Supportによる問い合わせ管理の一元化を果たした今、次なる課題は数値化による分析とカスタマーエクスペリエンスの改善である。同社はFAQサイトをCMSで独自に構築しているが、サポート業務のさらなる効率化を推し進める意味でも、まずはFAQサイトの充実を図ることが最優先となりそうだ。よくある問い合わせのFAQ化は、金融リテラシーや投資リテラシーの底上げにおいても重要な役割を担う。また、現在カスタマーサポートリーダーの採用を進めている同社にとって、サポートチームのパフォーマンスに関するデータは、人員計画の目安にもなる。
さらに、「個人単位で情報を蓄積していけるのがZendeskの強み。情報が貯まれば貯まるほど、その価値が上がっていきます」と強調する林氏は、顧客一人ひとりとのコミュニケーションを最適化していく取り組みも視野に入れている。
不動産特化型クラウドファンディングサービスという今までない新しい資産運用商品の認知拡大を目指すロードスターキャピタル。同社にとってのZendeskは、単なる問い合わせ管理のツールではない。マーケティングプラットフォームとしての活用の広がりが、不動産テックと金融テックの未来を創るサービス「OwnersBook」に良質なカスタマーエクスペリエンスを提供していくことになるだろう。
林氏:「顧客コミュニケーションを一人ひとりに最適化することで、その関係性を強化していく考えです。つまり、“カスタマーサービスこそがマーケティング”だと思うのです。」
導入事例
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