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問い合わせを生まない仕組みづくりで、公演日までの手続きをストレスフリーに
Zendesk導入事例インタビュー
株式会社イープラス
業界最大級のチケット販売サイトを運営するイープラスは、顧客対応の効率化を進めると同時に、顧客が問い合わせをしなくても自己解決できる環境を目指してZendeskの機能をフル活用。FAQページへの送客量は既存環境と比べて約2.5倍に増加し、コロナ禍で問い合わせが増え続けるなかでも業務負荷の軽減に成功している。既存製品からの移行にあたっては大規模なカスタマイズが避けられず、Zendeskの導入パートナーであるエクレクトがプロジェクトに加わり、イープラスが提示する独自の要件に対応した。
Zendeskソリューション導入の背景と課題
ライブ・エンターテインメント市場の変革・発展を目指し、1999年の設立以降、常に業界の本質的な課題を捉え、数々のイノベーションを起こしてきた株式会社イープラスは、チケット販売ビジネスを主軸に、アーティストの活動をサポートするライブカフェや自主興行、エンタメ特化型情報メディア「SPICE」、視聴チケット制のライブ配信サービス「Streaming+(ストリーミングプラス)」、グッズ販売、ファンクラブや有料会員組織の運営などを幅広く展開。
チケット販売ビジネスにおいては、1,600万人が利用する業界最大級のチケット販売サイト「イープラス」を運営し、2000年のサービス開始以来、自動抽選式のチケット販売システム「プレオーダー」や、導入公演数国内No.1の電子チケットシステム「スマチケ」、業界最大のスマホアプリ「イープラスアプリ」など、業界に先駆けて新しいサービスを提供し続けている。
会員数はもちろんのこと、チケット販売の対象となる公演数を考えれば、サポート現場の業務量の多さは想像に難くない。しかも、チケット販売は、通常のECと異なり公演という販売商品の入れ替わりが激しく、また公演によって客層が異なり、画一的な対応では通用しない現実もある。さまざまな施策に取り組む余力を生むためにも、運用の効率化は優先度の高いテーマだ。そこで、同社がカスタマーサポートの提供において重要視しているのが、問い合わせをしなくても顧客が自己解決できるような環境を整えること。起こり得るインシデントや顧客が躓くポイントを予測し、問い合わせが発生する前に必要な対策を講じること。そのために特に力を注いできたのがFAQサイトの充実である。
しかし、以前利用していたSaaS製品ではアクセスベースの従量課金制が採用されていたため、FAQページへのアクセスが増えれば増えるほどコストが膨らんでしまうという悩みを抱えていた。つまり、FAQページを充実させて自己解決率を高め、顧客満足度を上げようとすればするほど、膨大な費用をプラットフォーム事業者に支払うことになり、必要な取り組みを加速するどころかブレーキをかけざるを得ないという皮肉な結果を生んでいたのである。また一方で、データ連携のしにくさ、独自のエージェントソフトウェアをオペレーターのパソコンにインストールする手間、ソフトウェア干渉によるパソコン環境への負荷なども、同製品を使い続けることへの不満につながっていったという。
Zendeskが選ばれた理由
既存製品からの切り替えを決断した同社は、製品の検討にあたって絶対にはずせない要件を3つに絞り込んだ。株式会社イープラス システム部 システム開発グループ エキスパートの尾崎 欧州氏は、こう説明する。
「1つは、従量課金型でないこと。2つ目は、外部システムからアクセスできるインターフェイスを備えていること。3つ目は、コールセンターソリューションとして採用を予定していたAmazon Connectと親和性の高い製品であること。既存製品でもAPI連携の機能はあったのですが、インターフェイス方式が古いせいか品質が安定せずストレスを抱えていたので、2つ目は特に重視したポイントです。」
少なくとも2019年時点ではWeb APIを持つソリューションそのものが少なく、さらにこの3つの要件をクリアする製品となるとZendeskしかなかったという。
導入を支援したエクレクトは、フィットアンドギャップを定義し、既存のシステムでできていたことはすべてカバーできるようにしつつ、プラスアルファーで業務効率とカスタマーエクスペリエンスの改善ができるよう提案。特にFAQページについては、移行前のデザイン・仕様をほぼそのまま再現するために、Zendesk Guideの大規模なカスタマイズを行った。
「エクレクトは、こちらが提示した要件に即応してくれただけでなく、社内にいるのと変わらないスピード感で、かつ柔軟に対応いただけて大変助かりました」と尾崎氏は振り返る。
Zendesk導入の効果
Zendeskの導入を機に、問い合わせ対応の効率化は大きく前進した。奇しくも導入が完了したのは2020年3月。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令の直前という絶妙なタイミングだった。公演中止による払い戻し対応などで爆発的に問い合わせが増える前に導入できたのは、不幸中の幸いである。
Zendeskのヘルプセンター構築機能でFAQページの充実化を図ることにより、導入前と比較してFAQページへの送客量が約2.5倍に増加。Webフォームや電話経由での問い合わせが減り、コロナ禍で問い合わせが急増したにもかかわらず、効率よく対応できている。この状態で算出したZendeskの総コストを既存製品での総コストと比較すると、約60%のコスト削減だ。Zendeskの場合、ユーザーライセンス以外の課金要素がないことが大きく影響している。
しかも、できることは大きく増えている。
「Zendeskのマクロ機能を活用して回答用のテンプレートを事前に用意しておくことで、スピーディな回答が可能になるだけでなく、顧客対応の品質を均一化できます。新しく入ったオペレーターにも違和感のない操作性は、スムーズな業務の開始とトレーニングコストの削減につながっています。また、チームやオペレーターに割り当てられた権限ごとにビューを作成し、個々に割り当てられたチケットの進捗状況を素早く可視化して効率的な対応を実現しています。」(株式会社イープラス カスタマーフロント部 カスタマーフロントグループの遠藤 舞氏)
検討段階で重視したAPI連携機能も、実に良い仕事をしている。エクレクトが開発した”チケット振り分けアプリ”と連携し、新着のチケット内容に応じて、対応者の自動振り分けを一括で行えるようになった。「以前は一つひとつ手作業で内容を確認して振り分けを行っていたので、かなり楽になり助かっています」と遠藤氏。
この他にも、Zendeskのトリガ機能とAPI連携機能を組み合わせることで、申込番号を自社システムと連携し、チケットの更新をトリガに連携先から申込番号に紐づく公演情報を引き出してZendesk上のカスタムフィールドにリアルタイムに書き戻す処理を実現したり、反対にZendesk上にあるインシデント情報を外部システムに蓄積して分析を行い、自社開発のWebダッシュボードに障害傾向を表示したり、といった使い方もしている。
また、Amazon Connectとの接続については、尾崎氏が「一つの製品かと思うほど親和性が高い」と表現するように、ストレスはまったくない。
さらにZendeskの真価が発揮されたのが、2020年5月に開始した新しいライブ配信サービス「Streaming+」をリリースした時だ。「サービス専用の問い合わせ窓口をたった2週間で構築できたのはエクレクトのご協力とZendeskのおかげ。こちらが寝る間を惜しんで新しいサービスの立ち上げに奔走しているなかで、ほぼ同じスピード感で動いていただいたことに感謝しています」と遠藤氏は評価する。
今後の展望
同社が一貫して目指すのは、顧客が自己解決できる環境だ。次の段階に向けて、チャットボットの活用に加え、Zendesk上からショートメッセージの送信を可能にするアプリの組み込みなどが検討されている。「電話は混み合っていてつながらないことがありますし、Webフォーム経由ではリアルタイムの解決は難しいですから、その場で自己解決できる方が、お客様にとってはストレスがありません。効率化に向けて顧客対応のさらなる自動化を進めると共に、必要な情報を得るためのチャネルをお客様ご自身で選択できるような環境を整えていく考えです」と尾崎氏。
顧客にとっての必要な情報が何なのかを見極めるうえでは、分析の精度向上も課題だという。問い合わせ傾向をより正確に取得できるようになれば、しかるべき部門へのフィードバックや関連部門との情報共有が効果的に行えるようになり、顧客価値に還元されていくことになるだろう。
ライブ・エンターテインメントをもっと「いろんな人へ」もっと「身近に」もっと「楽しく」のビジョンに基づき、すべての顧客がストレスなく公演日を迎えられるように、なるべく疑問を生じさせない、問い合わせを生まない利便性の高いカスタマーサービスを実現すること。この点に照準を合わせ、これからもZendeskの可能性を探っていく。
「従量課金型でないこと。Web APIを備えていること。Amazon Connectと親和性の高いこと。この3つの要件をすべて満たす製品となると、Zendesk一択でした。導入後は、既存製品との比較で約60%のコスト削減につながっています。」
株式会社イープラス
システム部 システム開発グループ エキスパート
尾崎 欧州氏
導入事例
Zendesk導入なら株式会社エクレクト(導入実績APAC No.1)
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