CASE

導入事例
2025年03月10日

「お客様を主語にする」の実践を支える共通基盤を確立、顧客との信頼関係を強化しファン層を拡大

オルビス株式会社

スキンケアを中心とするビューティーブランドで、通信販売を主軸に顧客価値を提供し続けているオルビス株式会社は、10年以上使い続けてきたオンプレミスの問い合わせ対応システムをZendeskに刷新し、電話、メール、手紙経由での問い合わせを集約。Zendeskのメリットを最大限に引き出す理想的な活用を実践する同社は、業務の正確性とスピードを高めながらオペレーターの負荷を軽減すると共に、対応状況のリアルタイムな可視化により、継続的な改善活動につなげている。他社の追随を許さない対応品質を実現することで、顧客との信頼関係を強化し、オルビスのファン層拡大を目指す。

Zendesk導入事例インタビュー オルビス様
左から順に:株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
グループデジタルソリューションセンター 佐々木 拓也氏
オルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター
オンライングループ 丸山 晴代氏
オンライングループ GM 森 真紀子氏
業務管理グループ 横内 友嘉里氏
担当部長 宮崎 正貴氏

Zendeskソリューション導入の背景と課題

1987年、ポーラグループのベンチャー企業として創業したオルビス株式会社は、当初から、世の中の当たり前に問いを立て、新しい価値を生み出してきた。オルビスが目指すのは、一人ひとりが誰かと比べることなく自分らしく年齢を重ねていくことのできる、「SMART AGING®(スマートエイジング®)」な社会を実現すること。そんな未来の実現に向けて、既成概念や世の中の常識に捉われない視点から、心地よい毎日に寄り添う商品やサービスを追求、提案し続けている。

2023年12月には、さらなる進化を目的に、社員一人ひとりに求める行動指針を刷新。新しい行動指針「オルビススタイル」の最初に掲げられているのが、「お客様視点(お客様を主語にする)」だ。そこには、「自分の足で直接見聞きし、自ら体験して感じることが重要。本音の奥にある潜在的な想いや背景を探り、お客様を主語にして語る。」とある。

「全社員が常にお客様との最適な距離感を意識しながら寄り添うことで、満足度の向上に努め、さらに高いレベルでの顧客価値の創出を目指しています」と語るのは、オルビス株式会社カスタマーコンタクトセンター担当部長の宮崎正貴氏。これまでもお客様視点に立つことを重視してきた同社が、変化の時代に選ばれる会社であり続けるために、さらなるマインドチェンジを図ったと言える。

こうした変革の過程で、店舗やECサイト経由の問い合わせ対応を行うシステムも、進化を遂げることになった。問い合わせ対応には、オンプレミス型のシステムを10年以上にわたり使い続けてきたが、ユーザー・インターフェイスが古く、時代に合わないだけでなく、ビジネスの変化に追随できなくなりつつあった。

宮崎氏は、「既存のチャネルにオンラインショップが加わったことで、電話と手紙対応だけだったところにメール対応が追加され、結局2つのシステムを組み合わせて使用していました。対応履歴を一元管理できない悩みに加え、既存システムは変更や機能追加がしにくく、チャネルが増えていくにつれ、運用をシステムに合わせるストレスを強いられていたのです」と説明する。

Zendesk導入事例インタビュー オルビス様
オルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター
担当部長 宮崎 正貴氏

Zendeskが選ばれた理由

社内でオンプレミスからクラウドに移行する動きが進むなか、長年問い合わせ対応に使い続けてきたシステムもここで見直しのタイミングを迎えた。「これを機に運用のあり方や、業務のやり方そのものも見直したいという思いがあり、既存システムとの比較にこだわらずに候補となるシステムを探して検討しました」とオルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター 森氏。

Zendesk導入事例インタビュー オルビスさま
グループマネージャー 森 真紀子氏

最終的にZendeskの採用を決めた理由については、「オペレーターも使用しますから、操作性は重視していたポイントのひとつです。時間をかけてトレーニングする必要がなく、非常に使いやすい印象でした。また、既存の基幹システムとの連携を前提に検討していたため、導入パートナーであるエクレクト様がさまざまなシステムとの連携実績やEC事業に精通されていることも決断を後押ししてくれました。新しくお客様対応を始める会社が導入するのとは違い、複雑化した弊社の仕組みを実現できるソリューションがZendeskだったのです。それだけの高い柔軟性と拡張性を持ち合わせていることに対し、期待感もありました」と振り返る。

Zendesk導入の効果

同社は、電話、メール、手紙経由での問い合わせの管理をZendeskに集約。エクレクトが提案するZendesk機能拡張アプリをアドオンすることで、Zendesk上で完結できることが増えた。その1つが、基幹システムとZendeskとの連携だ。オペレーターは、顧客の購入履歴や受注データ、対応履歴などを参照しながら問い合わせに対応できるようになり、スムーズかつ質の高い対応が実現している。また、手紙経由での注文や問い合わせには手紙で返信するという運用ルールに基づき、お手紙作成アプリを実装。Zendesk上から定型フォーマットを使って印刷までおこなえるようにした。

Zendesk導入事例インタビュー オルビスさま
データ参照アプリ

Zendesk導入事例インタビュー オルビスさま
お手紙作成アプリ

さらに実店舗側でのライトエージェントの活用効果も見逃せない。Zendeskの導入前は、店舗側で受けた問い合わせにその場で回答できない場合は、ビューティーアドバイザーが手書きで起票し、本社ではFAX受信した内容をシステムに手入力するというプロセスだった。当然ながら、問い合わせ内容をキャッチし、回答するまでにかなりの時間を要していた。店舗側がZendeskのライトエージェントの権限を使ってチケットを起票できるようになったことで、店舗と本社の双方の負荷が軽減されただけでなく、回答までの時間が大幅に短縮され、顧客対応の質の向上につながっている。

その他にも、各チームの担当者が実感している導入効果は多岐にわたる。
「受注業務をおこなっている私たちのチームでは、業務のスピードと正確性が問われるのですが、細かな改善に積み重ねによって決して小さくはない成果につながっていることを実感しています。たとえば、お問い合わせがどの注文に紐づいているのかを一致させるのに苦労していましたが、今はその紐づけ作業が一切不要になっています。また、始業時に対応すべき件数も一目瞭然です。一日の業務量を素早く判断でき、必要なリソースを容易に調整できますし、トリガー機能によりメールの仕分け作業を自動化したことで、問い合わせ内容を一つひとつ確認し、どのチームに割り当てるかを判断する手間からも解放されました。8割自動化できたことで、1日あたりにすると約50分の削減に。その分、各案件の対応に速やかに着手できるようになっています」(オルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター 横内氏)

Zendesk導入事例インタビュー オルビスさま
横内 友嘉里氏・丸山 晴代氏

横内氏によれば、業務の特性上、発信するメール件数が非常に多いため、マクロ機能もフル活用しているという。定型文を用意して呼び出すだけでなく、マクロを階層化して迷うことなく必要な定型文にたどり着けるようにしたり、定型文の選択時にプレビュー画面に説明文や注意書きを表示させ、複雑な対応もマニュアルを見ずにおこなえるようにしたり、マクロ機能が業務の効率化に大きく貢献している。

Zendesk導入事例インタビュー オルビスさま
多数のマクロを階層化して分かりやすく整理

一方、メールでの問い合わせ対応を担当しているチームでは、対応に関する情報の一元化に手応えを感じているとして、オルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター 丸山氏はこう語る。
「以前は、お客様がいつ、どのような内容について、どのチャネルでご連絡くださったのか把握しにくかったのですが、現在は、受信したメールの一覧だけではなく、電話での対応履歴やお問い合わせ時にいただいたお客様の声などもすべてZendesk上に集約され、時系列で追えるようになりました。過去のやりとりや、お客様の今の状況を理解した上で対応できるので、単に効率的なだけでなく、お客様に寄り添ったより丁寧な対応が可能になっています。

また、Zendesk Exploreのレポーティング機能により、エージェントの業務量や応対時間、チャネル別の問い合わせ件数などを継続的に計測できるので、エージェントの育成という観点でも現状の課題を速やかに解析して改善につなげられます。業務状況や運用の変化に合わせて自社内で柔軟にカスタマイズできる点もありがたいですね。」

今後の展望

オルビスの顧客の中には、創業から37年間、ずっと継続して当社の商品を使い続けてくださっている方が1,000人以上もいる。そうしたファン層を増やし、生涯オルビスを使い続けていただきたいという想いのもと、顧客との信頼関係をさらに強化すべく、引き続きカスタマーサポートの品質向上に取り組んでいく考えだ。

「実は、当社のオペレーターの離職率は非常に低く、数十年のキャリアを持つ人財が数多く在籍しています。社員のお客様に対する想いや姿勢は当社の財産そのものであり、誇りでもあり、他社が簡単に真似できることではありません。今でも一定の対応品質を維持できていると自負していますが、業務を効率化してコールセンターを縮小するのではなく、むしろ投資を拡大してでも、より高いレベルの対応品質の実現に力を注いでいきたいと考えています。これは、当社の経営陣の考え方でもあります。」(宮崎氏)

お客様を主語にして本質を問い続けるオルビス。マーケットにアンテナを張りめぐらし、より深い顧客理解に基づいて前進し続けるその姿勢にZendeskが寄り添うことで、生涯オルビスを使い続けるファン層を増やし、その信頼関係をさらに強めようとしている。


「業務を効率化してコールセンターを縮小するのではなく、オペレーターのお客様に対する想いや姿勢を当社の財産として最大限活かしていくために、より高いレベルの対応品質の実現に力を注いでいく考えです。」

オルビス株式会社 カスタマーコンタクトセンター
担当部長 宮崎 正貴氏

導入事例

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