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2024年08月19日

マルチブランド対応で複数サービスの運用を最適化、アウトバウンド業務への活用にも期待

Zendesk導入事例インタビュー
日本パレットレンタル株式会社

レンタルパレット業界大手の日本パレットレンタル株式会社は、物流業界全体が抱える課題に対処するため、標準化をテーマに企業の枠を越えたDXを推進。物流機器の循環型運用に必要なサービスの一つとして、問い合わせ対応サービスの標準化を進めるにあたり、運用面で課題を抱えていた既存のJPRサポートセンターの変革にも着手した。エクレクトの提案を受け、Zendeskを採用した同社は、マルチブランド機能を活用して2種類のサポートサービスを運営。最大の課題だったナレッジの一元化・可視化が進み、サポート品質が向上しただけでなく、Zendeskの用途に新たな拡がりも生まれつつある。

Zendesk導入事例インタビュー 日本パレットレンタル株式会社様
左から順に:日本パレットレンタル株式会社
サポート業務部 サポート1グループ グループ長 伊藤 千春氏
取締役執行役員 野町 雅俊氏
サポート業務部 部長代理 中村 浩太氏

Zendeskソリューション導入の背景と課題

国内トップシェアのレンタルパレットサプライヤーである日本パレットレンタル株式会社(以下、JPR)は、1971年の創業時から、“人々を重労働から解放したい”という思いを胸に、パレットの標準化・共用化による「一貫パレチゼーション」を一から推進。以来、物流の効率化、インフラ整備に取り組んできた。人手不足が深刻化している昨今の物流業界において、パレットの標準化とパレット利用の共同化を推進する動きを見ても、創業時の想いが先人から継承されていることが伺える。

2022年には、パレットを始めとした物流容器を複数企業で循環利用するために欠かせないIT、人的サポート、ロジスティクス機能を共通化することについて、レンタルパレットシェア国内2位のユーピーアール株式会社と合意。両社が共同開発したサービス基盤「X-Rentalオープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、以下「XROP」 ※読み:クロップ)を活用することで、産業界全体にレンタルパレットの効率的な利用環境を創出し、導入のハードルを下げると共に、業務負荷の軽減、コスト削減を実現する狙いだ。

「今後レンタルパレットの需要がますます高まっていくとなると、当社1社では世の中のニーズに応えきれないのは明白でした。同業他社とも力を合わせつつ対応可能な範囲を拡げないと追い付きません。そこで、各社が個別に運営してきたサポートサービスについても標準化の対象となりました」とJPR 取締役執行役員の野町氏は説明する。

Zendesk導入事例インタビュー 日本パレットレンタル株式会社様
JPR 取締役執行役員 野町 雅俊氏


XROPが新たに提供する企業の枠を越えた問い合わせ対応サービス(X-Supportサービス:クロスサポートサービス)とは別に、同社には、自社サービスに関する既存の問い合わせ窓口としてJPRサポートセンターも存在する。「XROP」のリリースに伴うサポ―トサービスの標準化への取り組みは、既存のJPRサポートセンターの変革に向けた契機にもなったとして、野町氏は同センターが抱えていた課題をこう指摘する。

「電話、FAX、メールなど、チャネルごとに情報が分断されていて、どんな問い合わせが何件あったのかを把握するのにも相当な時間がかかるような状態でした。サービス品質も人に依存しており、ナレッジの一元化と可視化が最大の課題だったと言えます。もともと当社は、営業パーソンや各担当者が機転を利かせてお客様に真摯に対応することでアジリティを確保してきたようなところがあり、ナレッジが体系化されて来なかったのです。会社が成長するにつれ、このままのやり方ではどこかで限界を迎えるだろうという危機感は持っていました。」

また、JPR サポート業務部 部長代理 中村浩太氏は、「ナレッジが共有されていない証拠に、同じ内容の問い合わせが来ても、各エージェントがそれぞれに独自の対応を繰り返しているような状況でした。また、エスカレーション先のアサインに迷ったり、無駄なやりとりが増えたりして、結果的に問い合わせ対応が完了するまでに多くの時間がかかってしまう傾向にありましたね」と付け加える。

Zendesk導入事例インタビュー 日本パレットレンタル株式会社様
JPR サポート業務部 部長代理 中村 浩太氏

Zendeskが選ばれた理由

問い合わせ対応をおこなうエージェントは、X-SupportサービスとJPRサポートセンターを兼任する。2種類のサポート事業をコスト効率よく運営できるツールを求めて検討を開始した同社は、Zendeskのマルチブランド機能に着目。この機能を利用すれば、事業単位で別々にツールを導入する必要がなく、エージェントは1つのZendeskアカウントで複数事業にまたがってチケットを管理できる。2つの事業間を連携するためのカスタマイズも不要だ。今後3つ目、4つ目のサポートサービスが追加されたときの対応を見据えても、マルチブランド対応は欠かせないと判断した。

Zendesk導入事例インタビュー マルチブランドを活用したFAQサイト
左:XROPサポートサイト / 右:JPRサポートサイト



もちろん、現場目線から導入のしやすさも重視された。中村氏は、「使い勝手において、Zendeskに勝るものはないという印象でした。操作が非常にシンプルなので特別なトレーニングが要らず、誰でもすぐに使い始められます。必要最低限のことを理解してしまえば、Zendesk上に蓄積されたナレッジを活用しながら問い合わせ対応ができてしまいます。こういうツールはあるようでなかなかありません」と強調する。

Zendeskの提案からプロジェクトに寄り添ったエクレクトへの評価も高い。「当社の事業や目指すゴールを深く理解し、本当に必要なものかどうかを精査した上で当社にふさわしいZendeskの使い方を提案してくれます。伴走するとは、まさにこういうことを言うのだなと感じていました」と語る中村氏に続き、野町氏は、「導入を成功に導くためにはどのようなことを気にしながら進めるべきか、多くの具体例を提示してくれたおかげで不安が解消しました。導入後も、プロジェクトで躓きがちな部分を中心に手厚くフォローいただき、非常に心強かったですね」と振り返る。

Zendesk導入の効果

同社は、2022年8月から段階的にZendeskの導入範囲を拡張してきた。以前は、顧客が営業担当者に直接問い合わせをしてしまうケースも多かったため、第1フェーズでは、営業による問い合わせ対応の実態を把握することからスタート。第2フェーズではJPRサポートセンターにZendeskを導入、第3フェーズではDialpadとZendeskを連携すると共に、X-Supportサービスとのマルチブランド対応を開始した。

Zendesk導入事例インタビュー Dialpad連携イメージ
ZendeskとDialpadを連携



JPR サポート業務部 サポート1グループ グループ長 伊藤千春氏は、「これまでは営業担当者宛に直接送付されていたメールも、Zendeskでチケット化される流れを作れたことで、ナレッジの一元化が実現しています。また、メールでは、やりとりの回数が増えれば増えるほど進捗状況がブラックボックス化していき、集計や分析が難しくなりますが、現在は、エスカレーションを含めて1つのチケット上で一元的に管理でき、格段にわかりやすくなっています」と手応えを語る。

こうして無駄なやりとりが減ったことで、1回のやりとりで対応が完了するワンタッチチケットの数が増え、解決時間が従来の約半分に短縮。ナレッジの共有により属人化を防ぎ、会社としての対応を統一化できるのも大きなメリットだ。

Zendesk導入事例インタビュー 日本パレットレンタル株式会社(JPR)様
JPR サポート業務部 サポート1グループ グループ長 伊藤 千春氏



導入の決め手の一つとなったマルチブランド機能も、エージェントの業務負荷軽減に寄与しており、「タグを選ぶだけで、X-Supportサービスに届く問い合わせと、JPRサポートセンターに届く問い合わせの状況を速やかに確認できます。XROPの加盟企業に週次の履歴情報を提出する際にも、ほとんど手間がかかりません」と語る伊藤氏の言葉に、満足度の高さが伺える。

同社では、Zendeskの導入と並行して、営業を問い合わせ対応から解放するための組織改編もおこなった。「カスタマーエンゲージメントは営業、カスタマーサクセスはサポート部門が担う」として、営業の機能を再定義。勤続年数の多い従業員ほどマインドセットを変えるのは容易ではないが、Zendeskの力を借りながら問い合わせ窓口を集約すべく、地道に意識改革を進めている。

今後の展望

「一定の成果が見えつつあるものの、まだまだZendeskの機能を使いこなせているとは言えません。ここまでに得た気づきをもとに、サイドカンバーセーション機能の使い方や、管理者目線でのステータス管理のあり方など、当社の業務に即したより良いプラットフォームへと進化させていきたいと考えています。Zendesk上に蓄積されていくナレッジの記事化や、その有効活用についてもこれからの課題です」と中村氏。

一方、マルチブランド機能を活かして、XROPとは別事業のサポート業務にZendeskを導入する計画が着々と進んでいる。さらにその先には、営業部門の2つのアウトバウンド業務を支えるプラットフォームとして期待を寄せる。「当社からプロアクティブにアプローチするようなカスタマーサクセスの取り組みや、インサイドセールスにおけるセールスエンゲージメントの取り組みにZendeskを活用していく見込みです」と野町氏。

標準化をテーマにスタートしたZendesk導入プロジェクトは、XROPを中心に拡がりを見せ、JPRおよびレンタルパレット業界に新しい未来をもたらそうとしている。



「最大の課題だったナレッジの一元化と可視化が進み、Zendeskの用途に新たな拡がりも生まれつつあります。今後は、プロアクティブにアプローチするようなカスタマーサクセスの取り組みや、インサイドセールスにおけるセールスエンゲージメントの取り組みにZendeskを活用していく見込みです。」

JRP 取締役執行役員
野町 雅俊氏

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