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チャット
2024年11月07日

検索時代の終焉?ChatGPTがもたらす変化とは

ChatGPTによって「検索」する時代は終わりを迎えるのでしょうか?その答えは「ノー」です。

テクノロジー業界にいるならChatGPTという名前を耳にしたことがあるでしょう。実際に使ったことがある人も多いかもしれません。その一方で、この技術は現実世界でどう役に立つのだろう、ということが気になってきました。

ChatGPTを使うとき、ほとんどの人はGoogleに尋ねるかのように質問しているのではないでしょうか。これはChatGPTがGoogleだけでなく、検索業界全体を脅かす存在になるのではという、多くのテックファンの懸念を表しています。

それは果たして本当なのでしょうか?本ブログでは、Yext社がいくつかの実例を検証した結果をご紹介します。

異なる強みと弱みを持つチャットと検索

様々な質問を通して、当然ではありますが、チャットと検索はそれぞれ強みが異なること、お互いを補完するものとして使用するのが最適であるという答えにたどり着きました。

「テレビの歴史」などの百科事典的な情報を調べるときは、ChatGPTの方が従来の検索よりもはるかに良い結果を得られました。ChatGPTはこうした質問に対して、詳細で読みやすい記事のような回答を提供するのが得意です。

一方で、「新しいテレビはどこで買えるか」のように行動を伴う検索では、従来の検索の方がはるかに優れていました。それは、検索結果が説明的ではなく、実用的な情報を重視したものだったからです。

この見解に疑問があれば、ChatGPT自身に聞いてみてください。きっと同じような答えが返ってくるでしょう。

また、質問の種類によって使い分けるだけでなく、チャットと検索それぞれに適した特定のケースや状況もあります。そのいくつかを紹介しましょう。

ChatGPTの強み:

  • ユーザーはもともとチャットが会話性の高い形式であり、少し時間がかかるものだと理解しています。そのため、チャットではより強力なモデルを使用して、深く詳細な回答を返すことが可能です。
  • チャットは過去のやり取りを踏まえて対応できるため、ユーザーが追加の質問をしたり、特定の話題を掘り下げたりすることができます(例えば、チャットはコードのデバッグにも有効)。

検索の強み:

  • 検索はブラウジングに適しており、特にeコマースサイトや店舗検索など、視覚的な体験が重要な場面では非常に有効です。また、視覚的なブラウジング体験を提供できるので、欲しい情報がすぐに見つけられます。
  • 検索はビジネスロジックに基づいた商品表示やカスタマイズも簡単に実行できます。チャットでも不可能ではありませんが、非常に複雑な話になります。
  • 検索は基本的に無料で実行でき、即座に手軽に結果を得ることができます。対するチャットは比較的高価です。
  • 検索は何かコンテンツを生成するわけではありません。検索エンジンのデータベースから情報を引き出し、それに基づいて結果を提供するのが特徴です。

企業が注力すべきテクノロジーとは?

その答えは、「両方」です。それぞれに大きなメリットがあり、企業戦略に取り入れることでカスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。質の低い体験によってエンゲージメントのチャンスを逃すわけにはいきません。

会話型AI(チャット機能)を導入することで、消費者が求める自然な会話が可能になります。チャットは詳細な説明を提供し、継続的な対話を可能にします。

また、チャットは大規模言語モデル(LLM)の活用例の一つであり、データのパターンを解析してタスクを実行する機能もあります(例えば、YextではAIを使ったデータクリーニング※1に応用しています)。

一方、検索は迅速に情報を提供するだけでなく、CTA(行動喚起)や地図、リッチリザルトなど※2を含めて、カスタマージャーニーを合理的に進めることができます。これにより、エンゲージメントと収益の向上を図ることができます。

※1 AIを使ったデータクリーニング
https://www.yext.com/ja/platform/transforms-feature
※2 Yextが提供する質の高いサイト検索エクスペリエンス
https://www.yext.com/ja/platform/search

チャットと検索を効果的に連携させるには?

生成モデルは、自然な言語で質問に答えるのが得意ですが、いくつかの課題もあります。

  • 誤情報を生成する(「ハルシネーション」と呼ばれる)
  • リアルタイムのデータを参照できない
  • 回答内容を企業側で管理できない
  • トレーニングに時間がかかる

優れたチャットや検索体験を提供するには、基となる正しいデータが不可欠です。検索であれチャットであれ、それぞれ異なる場面で使い分けることが必要ですが、最終的に求められるのは正確な回答です。

一般的な質問にはインターネット全体のデータが役立つ場合もあります。特に、「百科事典タイプ」の質問に対する回答には最適です。しかし多くの場合、企業はメニューや営業時間など特定のデータを提供したがるでしょう。

次にナレッジグラフです。ナレッジグラフ※3は、企業のコンテンツをサードパーティ検索、音声検索、チャットボットなどのAI向けに最適化するヘッドレスCMSです。エンティティの関係を活用することで、より効果的に情報を整理し提供します。ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)とナレッジグラフを組み合わせることで、正確でスムーズな自然言語体験が可能になります。

企業はこれをチャットや検索のインターフェイスとして活用し、コンテンツの管理とデジタル体験の強化を実現できます。

この仕組みを使えばコンテンツの管理が可能となり、ユーザーにとってわかりやすく、企業にとっても効果的な情報提供ができるようになります。

とはいえ、会話型AIが情報アクセスをどう変えるかは、まだ模索中です。情報が目まぐるしく変化する中、企業は常に最新で正確な情報を提供し、適切なタイミングでユーザー体験を最適化する必要があります。変化のスピードにどう対応するのか。その適応力が今後の鍵となります。

生成AIをマーケティングやパーソナライゼーションにどう活用するか、詳しく知りたい方はエクレクトまでお気軽にお問い合わせください。

※3 ナレッジグラフ
https://www.yext.com/ja/platform/content

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